ギャラリー萩

石川県加賀市 「ギャラリー萩」のホームページです。

ギブスと松葉杖

その瞬間、『ポキン・・・』と軽やかで小さな音が聞こえた。日曜日の夕方、思いがけなく玄関で転んだ。左足に激痛があった。思わず声を上げてしまったら、一歳の孫が驚いて大声で泣き出した。次女が帰省していたのが幸いであった。彼女はあちこちの病院に電話をかけ、休日当番医が整形外科だった山中温泉医療センターに連れて行ってくれた。左足の小指の根元が骨折していた。秋のギャラリーがもうすぐ始まるのに・・・。

それにしてもギブスが出来上がるまでの興味深かったこと。尤もうつむけに寝ているので詳細には見ることはできなかったのだが。左足のひざ下15cmくらいから足指までくるくると綿を巻かれ、その上にニット上の包帯を巻かれ更にナイロンのネットで覆われ、たらたらと液体を垂らされた。たぶん速乾性の樹脂だったのだろう。仰向けになって見るともう既にギブスが出来上がっていた。医者がはさみで、できたばかりのギブスを切り開き、私の足から取り外した。

「こうやって1日に2回ほど足を出してリハビリしてくださいね。気を付ければ風呂も入れます」

再びギブスがはめられ包帯でぐるぐると固定された。ギブスの下は、弾力のある硬いゴム製の下駄の歯状のもので、このまま内も外も歩けるような仕組みだ。

それにしても呆気なく折れてしまった骨、驚くほどすばやい処置、前後入れての二時間だった。

「骨がちゃんとつくのに1ヵ月半かかります。外側に力を入れないよう、かかとから内側のエッジを使って歩くように」

松葉杖も一本持たされた。

おまけのような幸いは、この病院には掛け流しの温泉プールがあることだった。そこでリハビリが受けられるということ。初めて知ったことだったが、戦時中ここは海軍病院で温泉治療が人気だったという。ここで足と一緒にメタボも直そうと、密かに思った。

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