「東北の作家たち」展 出展作家のご紹介(第1回)
2011年9月4日
伊藤文夫 鉢の子窯
福島県須賀川市
1955年福島市生まれ
美濃で修業後、青木正吉(八丈島)・中里隆(唐津)各氏に師事
(作家コメント)
中世の壷やお皿には木や石や草の如く
人の気配を殆ど感じさせない凄みがある。
何故そのようなものを作る事が出来たのか
想像は可能でも、やはり人間技であるが故に謎である。
古の焼物の持つ神性に憧れて
ずっと土に向ってきたのかもしれない。
出展作 南蛮算盤花入「地震」
震災の日に作成したものですが、上段のものが落ちへこみました。まだ原発という事がわからず単なる地震と思い、地震としました。
亀山英児 三輪田窯(みのわだがま)
宮城県石巻市
1974年横須賀市生まれ
堤焼四世針生乾馬氏に師事
(作家コメント)
窯場は幸い津波の被害は免れたのですが、取引先の殆どがお店ごと津波に流されてしまいました(女川・雄勝・石巻等)。私も消防団員として捜索に参加しておりましたが、ようやく制作活動を再開しました。開窯以来、地元産の素材を用いたやきもの造りを続けてきました。使われてこそ生きるものを、震災後ますますその必要性を感じています。石巻の歴史、風土、そして現在を次の世代につなげるために。
菊池和好 薬師窯
岩手県遠野市
1955年遠野市生まれ
福岡県高取焼鬼丸雪山氏に師事
(作家コメント)
1993年一年を掛け、家族友人に支えられ20メートルの穴窯を築く。2011年3月11日短時間の出来事がこの世を変えた。命は助かった、でも陶芸家の命ともいえる窯が滅びた。人の力では容易に動かすことができない状況、窯の脇の大きな石がゴロゴロと散らばり、龍が這い上がるように亀裂が走る。現状をまともに見ることができず「終わったの」と呟く。今回のお話をいただき、いつまでも背を向けることはできない。前に進もう。窯を解体し、思い出のレンガたちを再生し築窯し、初窯、新たな薬師窯に火を入れる、そしてお世話になった人達と祝いの酒を酌み交わすことを目標に邁進していこうと。