ギャラリー萩

石川県加賀市 「ギャラリー萩」のホームページです。

この夏の日のあれこれ

今週金曜日から、ギャラリー萩2013年秋の企画展が始まります。「株田由雄・昌彦・真理子三人展」です。昨年夏亡くなった由雄先生の遺作を囲んで孫の昌彦さんと夫人の真理子さんの世代を繋ぐ三人展です。昌彦さんは我が家の長男の一歳年上、同じ小学校・中学校に通いました。長男と直接の接点はありませんでしたが夏休みの工作や、絵画展などでいつも素晴らしいものを提出していた、気になる存在でした。2001年金沢の画廊で初めて彼の作品を見、彼と少し話をした時、遠くに住む長男をなぜか思い出しました。そのとき求めた小品、紫陽花の絵は玄関で客人を迎えています。24・5歳の青年の絵とは思えない老成した静けさを漂わせています。それから3年後私のギャラリーで地元はじめての個展をしていただきました。それから10年が経ちました。

加賀市にはこのような蓮畑があります。思わず車を停めて。お盆が来るのだと思わされ夏を実感します。この夏は特に暑く、だからでしょうか小さな私の畑の実りは凄いものでした。採っても採っても次々と色付いてくるミニトマト、ブルーベリー、蚊取り線香を焚きながらの収穫作業、これがしんどいのですが、でも採らなくてはという気力だけで畑に出ています。左下に見えるのが茗荷、九谷の山から移し替えたものですが蚊との壮絶なバトルの結実です。

アートとは何か、工芸とは何か・・・を激しく問いかけてくる凄いもの、美しいものといえばこれでしょう。chicaraさんのカスタムオートバイ、1億円の美術品といわれています。21美で秋元館長の解説を聞いている製作者のchicaraさん。彼そのものもアートのような人でした。

工芸かアートかといえば古九谷もそうでしょう。大胆な構図、力強い線描きに塗埋めた重厚な釉薬の色、絵画のような焼き物と世界に高い評価を得ている古九谷ですが、先日旧九谷村で古九谷の色絵窯跡の現地説明会がありました。ダムによる立ち退きから県の埋蔵文化財センターによる発掘調査が行われてきました。2000年11月に7基の絵付け窯跡が発掘されたのです。次の年の現地説明会で、オレンジ色に焼けた粘土の色も鮮やかな窯跡に驚かされました。それから12年ずっと調査が続けられてきました。この遺跡は盛り土により地下保存されることとなり、最後の対面です。だいぶ色あせた感じですが、仕方ありません。それでも焼土1~7と名付けられた遺跡は、過去の証言者として大きな役割を果たすことでしょう。長年続いてきた『古九谷産地論争』の大事な証拠です。右側の写真の奥に見える小高い山の麓に、大聖寺川を挟んだ向かい側ですが、国指定の史跡、九谷焼磁器窯跡、登り窯があります。

バンドネオン奏者 生水敬一郎 さん。アローレのロビーコンサートです。彼もまた我が家の子供たちと小学校中学校が一緒でした。ただそれだけのことですが、希少なクラシカルバンドネオン奏者として頑張っている彼を応援しています。アルゼンチンでコンチネンタルタンゴに浸って来たいという夢を抱く私の、ささやかな前哨戦のようなもの。

ウイング金沢で開かれている九谷焼作家中田雅巳さんの個展です。高級機械式腕時計と焼き物との不思議なコンビネーションですが、店内で違和感なく溶け込んでいます。もともとオーナーの石橋社長の「古都金沢の時計店」として、伝統工芸と機械式腕時計とのコラボレーションをというこだわりで作られたお店です。伝統工芸である九谷焼や山中漆器・蒔絵とがさりげなく飾られています。お客様には、県内の作家たちの器でコーヒーやお茶がサービスされます。

頑張れ、若者たち。応援団の大人たち、もっと頑張ろう。私ももう少し頑張る!

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