ギャラリー萩

石川県加賀市 「ギャラリー萩」のホームページです。

北陸は冬本番

長い間のご無沙汰お許しください。ここしばらく大阪暮らしでした。

次女の出産です。大阪のマンション暮らしの次女夫婦に待望の女児が誕生しました。4歳と2歳の男の子たちは元気元気元気、腕白ともやんちゃともいろんな表現がありますが、元気が有り余っているという感じで駆け回っていて、部屋中が彼らの遊び場です。こんな子供たちが静かになると要注意です。大概熱が出ています。上の子は熱が39度あっても少々元気がないかなくらいですが、次男坊はどうも熱に弱いらしく熱性痙攣が起きてしまうようです。私の子育てでも経験がありますが、引き付けている子をそばで見ているのは怖いものです。命に別状はないと知らされてはいますが、その時間は実際より何倍も長く感じられ、がたがた震えてしまいます。新生児を抱えて母親が一人で対応するのは大変です。そんな時のための助っ人ばあばが私の存在意義でしょうか。何かあった時のために、母親である娘の傍にいてあげたいと思っています。娘にも娘が産まれ、今から20数年後に娘もその娘の出産に立ち会い育児の手伝いをする、そういう女系が人類をここまで増やしてきたように思います。孫娘の穏やかで優しい寝顔を見つめながらそんなことをずっと考えておりました。

さて、そんな訳で元気なことはいいことだ、騒がしいのもいいものだという毎日でした。自分たちより小さな妹に二人の小さな兄たちは興味津々、世話している傍にやってきては指でそっと頭をつついたり、小さな手に触ったり・・・。時々抱かせてくれとせがみます。

お兄ちゃんたち、左が4歳の長男、右が2歳の次男

新生児の一日は単調です。お腹がすくと泣きます。母親のおっぱいにすがりひたすら吞み続け満足すると眠ります。足りないとまた泣きます。抱っこしても何してもダメ、仕方ありません、ミルクを与えます。そのうちおっぱいは溢れるほど出るようになるでしょう。子供が吸い出してくれるのです。私の子育ての頃、夫の祖母が良く言っていました。「赤子は乳がスズメの涙ほど足りなくても泣くもんや」と。その通りかもしれません。ほんのちょっとが足りなくても満足しません。スズメの涙とは、どれほどの量のことを言うのでしょう。そうして、お腹がくちくなったら安らかに寝ます。おしことうんちと、一日に何度もオムツを替えます。娘は昼間は布おむつ派です。柔らかな真っ白い曝しのオムツは赤ちゃんのシンボルでしょう。夜は紙おむつを使っています。私の頃はまだ紙おむつがそれほど普及しておらず、夜も布おむつでした。どれほど厚くオムツを重ねても、冬場はおしっこが沁み出して肌着からシーツ布団まで濡れてしまうという経験が何度もありました。今の紙おむつの性能は良くて、よほどのことがない限り下着や布団まで濡れることはありません。有難いことです。それでもまめに世話ができる昼間は布おむつで育てたいと私も娘も思っています。ウンチをするたびにその始末をし、上質な漂白剤に漬け置き、洗濯機にかけ洗います。手間はかかりますが、手抜きせずにすることで何か頑張っている気がしますね。名実ともにイクメンの娘の夫もまめにオムツの世話をしてくれています。父母祖母3人がかりでの新生児の世話ですが、おっぱいを持つ母親には誰もかないません。

咲優希さゆきと名付けられた孫娘は今のところお腹が満たされていれば、如何なる喧噪にもかかわらず健やかに寝てくれています。有難いことです。顔立ちは5年前に亡くなった夫の母親に似ています。信心深く優しい母でしたので、そのことも嬉しいことでした。昼間のおむつを替え、ミルクをやるのは私ですから、そのついでにだっこもたくさんしました。どれほど見つめていても飽きることはなく、百面相ともいえる表情の変化を見つめていました。小さなため息もつきます。哀しそうな表情も見せます。声をあげて笑ってみることもあります。ただ怒りの表情だけはありません。穏やかで静かな寝顔を見ていると私もまたそのような境地に入っていく幸せを感じます。

何の当てもなくこの世に飛び出してきた命、全面的な他者への信頼だけで生きている命ともいえます。100パーセント他者の力をもらわなければ生きていけない命、お兄ちゃんたちのように2歳になり4歳になっても、まだまだ親の世話がなければ一人前にはなれない人間という生き物の出発はなんと危ういものでしょう。生まれてきただけの命、お腹がすいたらひたすら泣き続けるだけの命です。長じて母親になり命を生み出していくことになるという不思議は、奇跡のようにも思えます。孫たちの世話で、おおよそ世間との接触もなく暮らしていた日々はあっという間に過ぎ、大雪に閉ざされる前にと、北陸へ帰って来ました。

みぞれ降る一日をなんとなく忙しく過ごしました。あれこれしなくてはならないことがあるのに、なかなか片付きません。子育てを越える仕事はそんなにはないのでしょう。マンションの狭い空間で小さな命と向き合って過ごしていた日々が懐かしく思えます。2014年もあと2週間ちょっと、出来る限り悔いの残らないよう頑張りたいと思います。小さな命たちが幸せに生きていくことができるよう、ばあばができることを精一杯していければと願っています。

晴天が続いていた大阪、山のような洗濯物もその日のうちに乾いてしまう清々しさから一転加賀の大聖寺は雪景色です。我が家の玄関から撮った道路の様子です。もう一枚は私も関わっている企画展のお知らせです。もう、春が待ち遠しくてたまりません(笑い)。

2月18日から3月4日まで 相模原伊勢丹での催事を待つ器

DMのための写真撮りが始まりました。いよいよという気分が高まります。ひとつひとつ手作り、吟味された丁寧な仕事ぶりのいいものが揃いました。年末年始これからが彼らのラストスパート。

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