ギャラリー萩

石川県加賀市 「ギャラリー萩」のホームページです。

秋の企画展終了しました

九谷焼の伝統工芸士である堀江祐夫子さんと墨画の山崎千恵さんの作品です。不思議なハーモニーでしたが、互いにその良さを引き立てあって、ギャラリー萩は格調高い空間になりました。装飾陶の極みともいえるアラベスク模様の皿、九谷の釉薬で描かれた青や緑の深い美しさ、堀江さん独自の赤との絶妙な調和。丁寧な絵付けの技術に時間を惜しまない制作の姿勢が相まって、世界にここだけの一点が生まれます。見た人たちは一様にその美しさに感動しています。古のシルクロードを偲びながら、今日の九谷の新境地に遊ぶことが出来ました。堀江さんの卓越した技術の故でしょう。20年前初めて堀江さんの作品を観たときは、ここまで来るとは思っていなかったのが本音です。どれほどの努力があったことか、迷いや挫折もあったかもしれません。それでも真っ直ぐに追い求めてきたオリエンタルビューティ、九谷で花を開かせました。改めて凄い作家だと思いました。ピアノの調律師からの転身、ずっと続けてきているバレエ・・・、いろいろ知ってみると実に面白い人でもあります。いい人生を歩いているようです。好きな絵しか、描いてこなかった、その潔さが魅力です。

山崎千恵さんはギャラリー萩の空間に合わせて制作してくれました。正面の海の三幅、表装も彼女が手がけていますから色も大きさもぴったりフィットしてます。こういう空間づくりをしてもらえて幸せな展観だったと思います。古い長持の雰囲気に合わせて額縁まで作った、ということには驚きました。額の角には金属の飾りまでついているのです。全部一人でやった、というのですから。そういう絵描きさんがいても不思議ではありませんが、それにしてもこの徹底ぶりは、頭を下げたくなりました。静かで深く、非常に内面的な絵でした。対話をもっと楽しめばよかった、と思わせられています。

さて、東北の作家たち展Ⅶですが、現在柴山町のホテルアローレで開催中です。11月末日までずっと、アローレロビーにディスプレイされています。ホテルの若いスタッフたちのセンスで、素適にまとめられています。どうぞ覗いてくださいね。

 

気仙沼の菊田佳代さんの作品も届きました。いつものメンバーの近作が並んでいます。東北は思っていた以上に素敵で洗練されています。皆努力してるんだなと思います。生活雑器からの出発ですから、使いやすさはぴか一です。震災からもう6年と半分経ちました。

 

 

 

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