ギャラリー萩

石川県加賀市 「ギャラリー萩」のホームページです。

界加賀グランドオープン

この1年半以上をかけて界加賀オープンに向けて、加賀の工芸ご当地部屋のお手伝いをして参りました。星野リゾートの観光産業としての大きな戦略の中での「界」ブランド、それを作りだすための有能なスタッフの方々と一緒にあれこれ試行錯誤の日々でした。私の担当は「加賀伝統工芸の間」をどう設えるかで、限られた予算の中で最大限にいいものをと悩みました。銀座にある本社のスタッフ、生え抜きの若い女性が何度も加賀に出張して来られ、一緒に歩き回りました。界ブランドを作り上げ、守って来た彼女です。栃木県の鬼怒川にも界鬼怒川が建設中で、そちらも担当ということで、まさにバリバリのキャリアウーマンでした。が、その彼女この時期に三人目を妊娠していたのでした。大きなお腹をものともせず精力的な働きぶりでしたが、グランドオープン前に産休に入ってしまいました。ここ1週間ほどで出産予定とのこと。彼女とのお付き合いで星野リゾートさんへの信頼度が増しました。彼女の感性や感覚が界ブランドを形づくっていくのだと実感したものです。いい人材を持っている、それが強みです。前支配人のSさんも新支配人さんと一緒に加賀に着てのあいさつ回り、前々支配人のHさんも沖縄から駆けつけて、一人ひとりが自分のできる精一杯を出してのオープン準備。機動力のある若々しい会社だと思いました。偶然オープン前日のロビーで星野社長と出くわし、ご挨拶をされてしまいました。柔らかく暖かな物腰と物言いに、すっかり参ってしまいました。いい社長さんにいい社員、知的で切れる敏腕社長という印象でしたが、それだけではない、のが発展の原動力だったのでしょう。

界加賀正面入り口。後ろは宿泊棟。           星野社長のプレス発表 の様子。

界加賀一階ショップ内でエアリーフローラの一輪挿しコンペ入賞者展をしています。右は、雪吊を眺める露天風呂 スッキリした上品な佇まい

客室内のお茶器 若い作家さん達と作り上げた界加賀オリジナル 売店で売ってもいますが、こうやって客室で使われます!!

私にとっては旧白銀屋時代から、憧れの温泉旅館でした。星野リゾートの手に渡ってから、不思議な縁が出来、いつの間にかお食事処の器のご注文を頂くことになり、総料理長のK氏の暖かなご指導の下で、若手作家育成プロジェクトとして、色んな器を産み出してきました。納品日は厨房が戦場のようでした。洗浄機にかけた器の数と品質を確認してもらわねばなりません。

ずらっと並んだ朝餉の器たち これらは道場八重さんのもの

さて、どうも暖かな日々が続きます。暖冬か、ですが、冬支度はせねばなりません。来年のために大きく育ちすぎた柳の木を思い切って剪定しました。夫が木に上り細い枝からのこぎりで順番に切り落としていきます。すっかり枝が無くなり、最後はこんなにすっきりしてしまいました。夕闇が迫りくる頃、半月が浮かび、枝の無くなった柳を見下ろしています。

界加賀の蟹尽くしプランも人気ですが、ある方のお招きで、これ以上の贅沢はないというおご馳走をいただきました。

曽宇町の味の水の家。隠れ屋的なロケーションですが、いつ行っても惜しみなくボリュームたっぷりの美味を提供してくれる大好きなお料理屋さんですが、・・・今までの最高レベルでした。輪島のタグ付き(橋立はなかなか)のズワイガニ、刺身、蒸蟹、焼き蟹、と続き、お刺身は蟹の他に上等なマグロとろ、白身、脂の乗ったブリ、それに子持ちのボタンエビがあって、食べきれないほど。それから天然片野の鴨、青首が丸々二羽分。初めに串刺し、焼き鳥風に、でも焼き鳥とは似て非なるもの。殆どレア、ミディアムではなかった記憶、で野生の味がじゅわーっとしました。次がステーキ。シンプルな味付けで、これもほぼレア。鴨ってこんな味でしたか・・・。治部煮や鴨鍋だと薄まってしまっていた濃厚な肉のお味がそのまま口の中で広がりました。それからお鍋が仕立てられて運ばれ、たっぷりのお野菜と煮込んだ鴨のスープの美味を味わい、最後の雑炊もちょうどいい頃合いに出されます。何もせず、ただ食べればいいだけのお鍋、主婦としてお鍋を仕切ってきた身にはちょっと物足りないというか手持ち無沙汰のお鍋でしたが、これが究極の贅沢なのでしょう。身も心も、目もお腹も大満足の宴でした。口福そのもの、実感です。

鴨の手羽先、2羽分なので4本、後は写真を見るだけでお楽しみください。

いろんなことがあった11月から12月、気付いたらもう12月も半ば。あっという間の時の流れ、孫たちのクリスマスももうすぐ、新婚の次男たちもやって来るとのこと、賑やかさも極みというような我が家。仕事納めもきちんとしなければならない今年です。

一杯いい仕事に恵まれました。有難いことです。引き立ててくれた人、助けてくれた人、励ましてくれた人、支えてくれた人あっての私です。有難うございました。

皆様には、いいお年をお迎え下さいますよう・・・。

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