ギャラリー萩

石川県加賀市 「ギャラリー萩」のホームページです。

オープン2週目の2日目です。

おはようございます。

オープン2週目の2日目です。あまりにも静かな時間です。20年前のオープン時が余りにも賑やかだったので、しみじみ時の流れを思っています。

きらきらと秋の陽射しが風に揺れ蜻蛉たちが楽しげに飛んでいる庭を眺めながら、そうこれが望んでいた老後の暮らしそのものだと感慨に耽っています。それなのに敢えてギャラリーを再開して週末だけとはいえ働くことを選んでしまいました。それもまたアリだと。そうしてお昼を過ぎると丁度いいタイミングでお客様がやって来ます。顔見知りさんとおしゃべりを交わし、お友達とコーヒータイムを楽しんでいる方のおじゃまにならぬようそれなりに気を付けて、カウンター裏にスツールを置きました。文春最新号を置いてさりげなく眼を通したりして。新米コーヒー屋さんはドキドキしながらコーヒーを淹れています。大賑わいだったら本当にどうしようか、ですが幸い適度なご注文でホッとしています。自分でいい出したことではあるけど、ランチワンオペでやれるのかしら。

ずっと試作を続けて来た自家製パン🍞、胡桃入りパンはもう上手に焼けるようになった。ブリオッシュもまあまあで後は美味しいものを挟む円パンが上手に焼ければひとまずいいこととしよう。トレーは準備したし、おかず皿は中小ギャラリーの持ち物で十分だし、生地史子さんに挽いてもらったパン皿は田中昌宏さんに漆を塗ってもらい準備OKなのです。後は11月ディスプレイでお食事スペースが出来るかどうかだけとなりました。本格シェフのいるレストランにはかないません。昔から続く食堂の魅力にも迫れません。ずっと家族のご飯を作り続けて来た76歳の私が作る家庭料理です。願うのは目にもお腹にも満腹感あるランチです。ちゃんと食後のコーヒーと甘味付きで^_^。

20年の間に溜まって来た沢山の器たちを眺めながらその後ろに沢山の作家さんたちの顔が浮かびます。卓球をご一緒したTさん、随分前に加賀市から引っ越されたけどお元気でおいでかな。ポトっとした暖かくおおらかな大鉢を眺めながら、これにカモリを炊いて出していた初期のパーティを思い出しています。赤絵鉢には揚げ浸しを盛って、わいわいと。お年を召した作家さんの打ち上げもお子さんやお弟子さんたちは若いから、私と夫も若かったから、お肉やパスタもよく作った。Sさんから頂いた爽やかな大鉢を片手に乗せてサービスしてくれていた夫の姿が浮かびます。Yさんの華やかで面白い器に毎回何を乗せようかと考えたものです。ありったけの杯を並べ好みのものを選んでもらうことから始めるパーティ、頂き物の漆盆が大活躍でした。今回は花器とパーティ用大皿を並べましたが、次回はお茶の器かお酒の器です。お盃は由来の分からない物もいっぱいです♪並べて見るのが楽しみです。

私の思い出を辿る小さな舞台がこのギャラリーです。誰かお一人にでもお伝えできたら幸せです。器の持つものがたり。できれば作家さんとの思い出も加えて。庭側の窓と道路側の窓全部を開け放して気持ちいい風が吹き抜けて行きます。のんびりとした午後3時、こういうひとときを持ちたかった、持って頂きたいのです。種を蒔きもしないのに蔓を伸ばし身をつけて来た多分カモリが日毎大きくなっていきます。

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