ギャラリー萩

石川県加賀市 「ギャラリー萩」のホームページです。

明けましておめでとうございます

2013年の幕開けです。二人の息子たちが巳年生まれの年男です。長男が36歳、二男が24歳、亡くなった夫の父親も同じ巳年でした。この子たちは たいそう可愛がってもらいました。ずいぶんな歳月が過ぎて行ったのだと、しみじみ思います。昨年は、特に後半は息つく間もないほど程の忙しさでした。やり たいと思ったことを、深く考えずに引き受けたりした結果でしょう。それは自分でもしっかりと自覚があります。今年こそは身の程にあった仕事を、じっくりと したいと思っていますが、どうなりますやら・・・。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年の実りのひとつ、ウェヴサイトマガジンBプラスで萌窯さんが紹介されました。昨年「界ー加賀」と名を替え、再出発した山代温泉の白銀屋さんの器を作っています。仏手柑の蟹の刺身鉢、大作です。直向きにものづくりに向かってきた二人の姿をご覧ください。

さて、今年の初仕事、雪の中曽宇町(町というより村という佇まいの大聖寺郊外の小さいけれど美しい集落です)へ出かけました。その村の一番奥に住む陶芸家橋本薫さんを訪ねました。相模原伊勢丹で2月20日から始まる企画展のための写真撮りです。昨年末からの急ぎの仕事、幕の内なのに快くお手伝いをお引き受けくださいました。須田青華に学んだ、まさに才色兼備を絵にしたような方で、少々緊張してしまいました。「春うららお茶の愉しみ―KUTANIの器」このタイトルのイメージで、橋本さんの器が頼りの、ぶっつけ本番です。どれでもお好きなものを、と選ばせて頂いた青呉須の茶蝶(中国で急須のこと)をメインに、薫さんの広々とした居間での撮影です。外は雪、明るい柔らかな光が障子を通して入ってきています。替え茶器に春色の黄色を。薫さんのピンクのストックを、持参の花器(岩﨑晴彦さんの鉄釉の片口と、鍛冶師河上真琴さんの鉄製オブジェの組み合わせ)に入れ、待ちきれずに1枚・・・がこれです。

もしかしてこれが一番いいかも・・・です。

激写が続き(笑い)バッテリー切れまで141枚。少しだけですが順番にお見せします。二人ともどんどんエスカレートして、お茶を入れ、ギャベの小座布団を並べ、器も少しずつ増え・・・と相成りました。

無垢の栗のテーブルを片付けて、居間の中央で庭からの自然光でいくつものお盆や敷物で表情を変えてみました。

お盆や敷物を替えてみたり、薫さんが室内照明をいろいろ調整してくれたりと、同じようなものでも少しずつ表情が違うのお分かりでしょうか。何せ撮り手がど素人ですから、どんなに有能な助手を得てもこれだけにしかなりませんが、でもなんか愉しい、という感じではありませんか。お煎茶器は少女の頃の懐かしいおままごとの思い出を運んでくれますね。いつの間にか薫さん秘蔵の河村寿昌さんの小箱たちも、茶入れや、香合に見立てられて登場しています。

同じものを少し離れて俯瞰して見てみたらとの薫さんのアドバイスで、右側の1枚が141番目のもの。左上の縁側から射す光が、もう春が来たかのような雰囲気です。 お友達と陽だまりの中でお茶を頂いている、そんな情景が浮かんでくるような気がしますが、いかがでしょう。

それを少しカットしてみました。

141枚の中から選べるのは1枚だけ、DMに仕上げますが、どれがいいのか迷いに迷う日がおそらく2・3日は続きます。準備中のこんなひと時がもしかして本番中より充実しているかもしれません。

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