春うららお茶の愉しみKUTANIの器
2013年1月17日
寒い日が続きます。寒中お見舞い申し上げます。今夜は雪が降り続きそうです。私は寒さには弱くどうかすると鬱になりそうな日々ですが、それでも春の日を思うと(私は4月生まれです)元気が出ます。相模原伊勢丹と銀座の松屋さんとから春の企画を依頼されたのを幸い、頭の中は春のイメージで溢れています。このタイトル、「春うららお茶の愉しみKUTANIの器」に欠かせなかったのがこれ、茶籠の茶箱です。
これは金沢にお住いのTさんの作です。籠はクラフトマーケットで見つけた竹製のお弁当箱。大事なお道具を綿入りの仕覆で包みます。Tさん好みの渋くて粋な古布が使われています。藍染めの布の上に並ぶこれらのお道具たちは皆後方の籠の中に納まっていました。出てきたときの感動、愛らしい姿にうっとり、慌てて1枚撮りました。仕覆を脱ぐとこんな感じです。橋本薫さんの染付碗、岩崎晴彦さんの角蓋ものは菓子入れに、小さなミルクポットは茶巾入れに見立てられています。河村寿昌さんの茶入れと茶筅筒、いずれもまるで誂えたかのようなぴったり感、碗を中心に気が付いたら集まっていたという感じですね。こんな感じで、春の野山にお出かけです。
小松の陶芸家吉田るみこさんの蓋もの、キノコのような不思議なものは茶入れにも見立てられませんかと、仲間入りです。先回のブログでご紹介したお煎茶のしつらえ。あんなこんなと寄せ集めてDMを作っています。出来上がったらご紹介しますね。2月20日(水)から3月5日(火)まで、相模原伊勢丹5階特選和食器サロンで開催です。お近くの方ぜひお出かけくださいね。
さて銀座松屋さんの春のファッションウィーク、銀座三越さんと一緒に春の銀座をおしゃれに彩りましょうという企画です。本来はライバル関係にあるデパート同士が手を組み、日本の若手デザイナーや若い匠を銀座から世界に発信し、同時に銀座の街の魅力をも発信しようという企画です。リビングが「北陸3県のものづくり」ということなので、春らしい柔らかな九谷焼で進めています。こちらは3月20日(水)から26日(火)まで松屋銀座7階、特選和食器売り場ミニステージです。
見えにくいですが染付にうっすら色絵です。
あっそうそう、大事なニュースを忘れるところでした。昨日1月16日(水)から28日(月)まで大阪の梅田阪急デパートでリニューアル記念で『古九谷再興物語 青手九谷 吉田屋の魅力展』が開かれています。9階の阪急うめだギャラリーです。9階フロアの中央には大きな広場が設けられ、そこで加賀の物産展も開かれています。話題の「レディーカガ」(写真右)も登場して盛り上がっていました。12階のフードコートまで吹き抜けの空間がダイナミックです。加賀九谷陶磁器協同組合 人気作家展(下記写真左)も同時開催です。
- 『古九谷再興物語 青手九谷 吉田屋の魅力展』古九谷と呼ばれる1600年代中期に花開いた鮮やかな色彩の磁器は、多くの人々を魅了しましたが、50年ほどで姿を消すこととなりました。この色絵磁器を再興しようと、加賀の豪商、豊田(吉田屋)伝右衛門が開いた窯が“吉田屋窯”です。わずか7年間の光芒を放った後、廃窯となりましたが、今なお色絵磁器の宝石と讃えられています。本展では、古九谷再興に人生をかけた吉田屋伝右衛門の生涯を、展覧会初出品作品をまじえて、115点の名品でご紹介しています。関西方面にお住まいの方、ぜひ足をお運びください。
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