3月の雪
2014年3月9日
早いものであの日3月11日から丸3年が経ちました。仙台が故郷の私ですが、何の力にもなれないままです。被災者の方々には、離れ住む私たちにはうかがい知れないご苦労が続いておいでのことと、お見舞い申し上げます。あの日も東北はちらほら雪が降る寒い日でした。今夜からまた大きな寒気団が列島を包み雪になりますとか・・・。3月の雪です。
先日久しぶりに金沢へ行きました。東山の「一笑」で開かれている橋本薫さんの個展、「花一会」を覗いてきました。軽やかに描かれた桜の器、ところどころ色絵の愛らしさが加わって、確かに花一会でした。薫さんと一緒の句会も計画されているようです。お茶屋さんと併設のギャラリーがすっかり馴染んで、今では東山の顔です。雪の東山、昔の茶屋街が新しい観光の名所として整備され始めてから20年あまりになるでしょうか?その先駆けが「一笑」さんでした。加賀市の丸八製茶場が『献上加賀棒茶』の売り出しに賭けて取り組んだものでした。当時はお客さまもまばらでご苦心の日々であったとお聞きしますが、今はたくさんの人々で賑わっています。裏通りだったところも含め、街並みもすっかり整備され、人気老舗の出店も多くでき、加賀文化の発信基地の様相です。友人とふたり昼食は人気の「みずほ」のランチ、今日のお米は「のとひかり」。土鍋で焚いて、加賀のおばんざいと一緒に頂きます。お代りをすると懐かしいおこげが付いてきます。
昼過ぎには雪も融けて・・・。東山茶屋街からバスに乗り兼六園下で降り、雪景色の金沢を歩きました。石川門もこのアングルから眺めると一味違って見えます。
向かったのは四高記念館、石川県近代文学館です。金沢ゆかりの作家たち、室生犀星や泉鏡花などの資料が展示されています。井上靖もここで学び柔道に明け暮れた青春を過ごしたと聞きます。同人誌の合評会がここで開かれます。
合評会が開かれた教室です。昔の四高生が使っていた木の机と椅子、固く窮屈な椅子でしたが気分は上々。この「風媒花」も発刊13年が経ち、今年20号になろうとしています。主幹は七尾市在住のエッセイスト小林良子先生。加賀市の文章講座の指導に来られたご縁で始まった同人誌ですが、いつの間にか石川県全体に同人が増え30人の大世帯になりました。エッセイの同人誌というのも全国的に珍しいらしいと聞きますが、メンバーとは初めのころからもう20年来の付き合いで、その頃40代だった私は60代、60代だったの先輩たちは今や80代となりました。同人というだけの、職場や地域づきあいとも違う不思議な仲間づきあいが愉しく続いています。「風媒花」読んでみたいという方は、ご連絡ください。お送りします・・・。エッセイを書くという行為は、私にとっては自分の生き方を確かめる作業でもあるような気がして、こつこつと続けています。今夜から大雪とか、春の雪を大いに楽しみましょうか。明日あたり春のギャラリーのDMができ上がって来ます。
4月11日(金)~20日(日) 工房さ竹 家具展
5月16日(金)~25日(日) 中村久一 穴窯展