我が家の庭/西納三枝が来た道/株田昌彦小品展
2025年9月16日
猛暑の夏が終わってしまえば、我が家の庭はこの通りまるで草原状態です。
もともと草地だったところにポンと家を建て、畑を囲った急ごしらえの我が家です。
今ではこれが定めだったのだとすんなり受け入れています。
8月の初め右脚に激痛が走り、神経痛であることが判明しました。
「かがみ仕事、草むしりなど腰に負担がかかりますからやめてください」とのドクターストップがかかり、折からの猛暑でもあり、まったくの手つかずの庭になってしまいました。
怠け者の私にとっては正々堂々のいい言い訳ともなりました。
春の初め花や球根を植え、ミニトマトやオクラ、モロヘイヤなど夏野菜も植えたものの、あっという間に草に覆われてしまいました。
イチジクやレモンなどの苗木も植えてあったのですが、息も絶え絶えという感じで、でも生きてくれてはいるようです。
朝夕眺めるこの庭、草ぼうぼうの、歩くのも難儀する叢ですが、私の気分はそれほど悪くはないのです。
きれいに整備された美しい庭が憧れでもありますが、でもこれも悪くはないな、と思っている私がいます。
多様な緑がそれなりの秩序で生い茂り、いつの間にか花や穂をつけている。たくさんの蝶やトンボが飛び交い、小鳥たちもやってくるその自然の一部に我が家が包まれて私が暮らしている。叢を抜けてくる風は爽やかで私がここに住まわされていることの幸せ感が半端ではないのです。
夜中などふとデッキの明るさに目を上げるとそこに煌々と月が耀いていたりするとしみじみと湧き上がってくるものがあります。
長いこと入院中の夫の名を呼んでみて、月に託す思いは、確実に届くだろうと何の不思議もなく思えること。
この広々とした叢が私の庭だ。正面駐車場の両側にも土を入れ庭を設えたが、あっという間に草に覆われてしまっている。草むしりをしなかった結果だから誰に文句の言いようもない。けれど、アナベルは猛暑にもめげず咲き、実生のジューンベリーもまたたくましく育っているの。
きれい好きの方はにはありえない玄関前ではあるけれど、そのうちそれらしい植生の秩序ができてくるだろうと、様々な球根や苗木を植えた私は思っています。信じなければやってらんない庭づくり。素人のバーバの遊びだとお許しいただきましょう。
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さて、9月29日からの企画展「西納三枝が来た道」です。
広くはない会場でどのようなディスプレイをし、どのようなおもてなしをするのか、考えるともなく考えています。
静かな自然体の女性ですから私一人が浮かれないようにしなければ。初日は、ささやかなウエルカムパーティを予定しています。
西納さんを支えてきた「茶房古九谷」のスタッフをお呼びしています。
そうしてこの秋のお楽しみ大聖寺出身の洋画家である株田昌彦さんの個展日程が決まりました。
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株田昌彦小品展
11月29日(土)~12月6日(土)
小品展に寄せて
生まれ故郷の大聖寺を離れてから早二十年余りになりました。
他県に住んでよく感じるのは、伝統文化を重んじる風土の中で自分が育ったということです。
そのような石川県人の一人として、日々作品を制作しています。
ご高覧いただけると幸甚です。
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夫と二人株田さんが20代のころからずっと追いかけてきました。我が家の子供たちと同じ小学校中学校の出身です。
すでに何回か会場(などというほどでもないのですが)を見ていただいているので
展示イメージはお持ちであると思います。
株田さんの小品の魅力は、大作の一部分であってもおかしくない広がり、スケール感が大きいこと。
デッサンを積み重ねてきた対象物の確かな存在感と彼の持つ世界観が融和した独自の絵の魅力は
なお一層深まってきたことでしょう。
小さくとも、大きく深い、楽しみでワクワクしています。
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